ヤマハスタジアムの風景@東芝戦

ヤマハスタジアムで開催されるラグビーの試合は、色々なイベントをご用意して
皆様のご来場をお待ちしているのですが、今シーズンの企画のひとつに、バイクショーが
ありました。
ヤマハ発動機からレースに参戦している選手の方々が、特別に用意されたセットを使い、
デモ走行で訪れた人達を沸かせていました。私も、今シーズン目の前で初めて見ましたが、
ものすごい迫力にびっくりしました@@。
2日、バイクショーをおこなっていただいたのは、過去に世界選手権に出場し、
ランキング6位に入った経験を持つ全日本トライアル界の大ベテラン、そして
2007年国際A級チャンピオンを獲得した成田匠選手。
もうひとりは、2007年全日本選手権国際A級スーパークラスランキング3位、
若手ライダーとして期待がかかる野崎史高選手でした。
大型トラックを使ったセット(セットの正式名称がわからず、すみません)
高さは……。隣の建物と同じ!?
成田匠選手
野崎選手、飛んでます@@
素晴らしい技を披露していただき、ありがとうございました。
若手ライダーとして期待がかかる野崎選手は、今年も全日本トライアル選手権の
国際A級スーパークラスへ参戦。開幕は3月9日、茨城・真壁トライアルランドとのこと。
野崎選手、応援しています!
(※)選手情報は、ヤマハ発動機公式ウェブサイト「レース情報」を参照させて
いただきました。

谷口レフリーにアタック

2月2日、ヤマハスタジアムでおこなわれたトップリーグ第13節、
ヤマハ発動機ジュビロ対東芝ブレイブルーパスの主審を務められたのが谷口かずひとレフリー。
試合後のファン交流会会場で谷口レフリーにアタック。今日の試合の感想をお聞きしました。
*********
「まず、グラウンドが素晴らしかったですね。選手達がステップで足を滑らせる場面も
ほとんどなく、思うとおりのゲームプランができたのではないかと思います。
そうなると、パフォーマンスからして強いチームが勝ち弱いチームが負ける、
という結果になった感じでしょうか。
前半だけをみれば、東芝のワンサイドゲームになるのかなと。セットプレーの中で
特にスクラムにおいては、東芝がヤマハを上回っていると感じました。
どんな場面でもスクラムは押せる、負けないという気持ちが東芝の中にあり、
それがたとえヤマハボールのスクラムになっても、自分達は勝てるという気持ちの上での
余裕があったと。両脇のフランカーを筆頭に、次のプレーに対し素早く反応
しながらゲームを進めていけたと思います。逆にヤマハは、圧力を受けたことで
攻めのオプションを出し切れなかった。でも、後半に盛り返したのは
ここがヤマハのホームであり、ホームの戦い方を知っている強みを出し、
細かいパスを繋ぐ攻めが後半のスコアになったと思いましたね。
とはいえゲームを通してペナルティ(※)がそれほど多くなかったはずですよね。
ペナルティが少ないことは、プレーの流れが止まらない。両チームを応援している
ファンの方々は結果を求めてしまうかもしれませんが、ラグビーを初めて観戦にきた、
興味があって足を運んだという層に対しては、ボールがよく動き面白い試合だったと
感じていただけたんじゃないでしょうか。両チームの持つ色がゲームの中に出ていたし、
ヤマハは前半の段階で離されながらも後半は食らいつくという激しさがありました。
バックス陣にいい選手が揃っていると思いますが、最後はお互いの総合力が点差に
出たのかなと。
実は、今年のトップレフリーの中で唯一、全13試合笛を吹きました。吹ききったことは、
嬉しいし自信にもなります。7月にしっかりと走りこんだし、トレーニングを続けて
きましたから、その影響もあると思います。レフリーもお互いが競争であり、
パフォーマンスが悪いと評価されれば、その後の試合は吹けない場合もありますから。
まあ、願わくば若手レフリー達に早く上がってきてもらいたい、なんて思ったりも
しますけどね。
先のことを考えるより、目の前の試合に対し全力で取り組む。その姿勢はこれからも
変わりません。トップリーグの全試合はまだ終了していませんが、このあとも吹けるなら、
日本でベスト3に入ることができ、嬉しいなと思います」
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谷口レフリー、ありがとうございました。これからもご活躍を応援しています!
(※)このゲームのペナルティ数(公式記録より)
ヤマハ:9(前半2)、東芝:7(前半4)
谷口レフリー、今シーズンのあしあと
第1節:10月27日 三洋-クボタ
第2節:11月 3日 ヤマハ-NEC
第3節:11月10日 リコー-三洋
第4節:11月17日 九電-トヨタ
第5節:12月 1日 IBM-サニックス
第6節:12月 8日 神戸-コーラ
第7節:12月15日 リコー-NEC
第8節:12月22日 東芝-神戸
第9節: 1月 5日 九電-IBM
第10節:1月13日 神戸-トヨタ
第11節:1月20日 サントリー-クボタ
第12節:1月26日 コーラ-NEC
第13節:2月 2日 ヤマハ-東芝

パパ、頑張れ

「ヤマハ、負けてるの?。パパ、この試合が最後なのに」
「あっ、パパだ。パパ、頑張って!」
後半残り5分、グラウンド脇から応援する小さな姿と大きな声援。
澄んだ瞳で見つめる先には、オレンジミットを手にし、背番号22のサックスブルーの
ジャージを着て、ヤマハスタジアムでプレーを続ける村田選手の姿がありました。
村田選手の引退について、ご家族の中で子供達は
「パパ、なんでやめるの。まだ元気なのに」と言ったそうです。その場は、
何となくごまかして話が終わったそうですが、この日、グラウンドを見つめる
子供達の目は真っ赤でした。
以前、村田選手を支えているものはなんでしょうか?の問いに、
「家族です」と答えていただきました。素敵なご家族というのは、ホームページを
拝見していて、ものすごく伝わってくるものがあると感じます。
「パパ、頑張れ」、現役は引退するものの、子供達の声援、そしてご家族との
愛情がこれからも村田選手を支えていくことは変わらないと思います。
村田選手、これからも応援しています。

マイクロソフトカップトークバトルも延期になりました

降積雪の影響で試合延期が発表された、トップリーグ第13節の秩父宮開催分。
2月9日(土)へ延期されたことで、2月5日(火)に行われる予定だった、
「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義2008 Vol.61~どうなる!?
トップリーグプレーオフ マイクロソフトカップ~」が、2月12日(火)に
延期となっています。
延期になった秩父宮開催分が、プレーオフ進出の順位に影響しているからとのこと。
既にご購入されたチケットは、そのまま延期日程の2月12日に有効ですが、
都合がつかないと言われる方は、平成20年2月4日~2月15日までお買い求めに
なった店舗にて払い戻しの対応をしていただけます。
私はといえば、秩父宮へいこうと既に家を出ていましたが、静岡付近で本日の延期を
知りましたので、何とかセーフ……。
愛知は、雪でなく雨(みぞれまじり?)でしたのでまさかと思いました。
1週間のブレイクがそれぞれのチームにどう影響を及ぼすか。
2月9日の試合、楽しみです。

明日のヤマハへ向かってトライ!

トップリーグ最終節、東芝ブレイブルーパス戦を終え、ヤマハ発動機ジュビロの
今シーズンが終了しました。
<試合結果>
2月2日、第13節(ヤマハスタジアム:観衆5718人、グラウンド状態:良好)
ヤマハ発動機ジュビロ:21(前半:7)
東芝ブレイブルーパス:39(前半:26)
得点経過
前半
4分:大野(東芝)トライ、吉田大樹G不成功(0-5)
18分:マッコイド(ヤマハ)トライ、大西G成功(7-5)
23分:吉田朋生(東芝)トライ、吉田大樹G成功(7-12)
32分:渡邉(東芝)トライ、吉田大樹G成功(7-19)
36分:中居(東芝)トライ、吉田大樹G成功(7-26)
後半
3分:松下(ヤマハ)トライ、大西G成功(14-26)
15分:吉田大樹PG成功(14-29)
21分:松下(ヤマハ)トライ、大西G成功(21-29)
28分:オト(東芝)トライ、吉田大樹G成功(21-36)
41分:吉田大樹PG成功(21-39)
激しい接戦の攻防
譲らない気持ちの両チーム
初先発、9番を背負う矢富選手
試合後におこなわれたファン交流会の様子を見守るヤマハ発動機ラグビー部の
石川部長は、
「ポイントとなる試合で、対戦相手の強い気持ちをほんの少し、上回ることが
できなかったと感じたのが心残りですね。一年間、応援していただいた皆様には
本当に感謝しています。このチームは来年、やりますよ。もちろん、期待しています」
と、来シーズンへ向けての熱き気持ちを言葉を繋いでいました。
またケビン・シューラー総監督も、
「タツ(大田尾選手)、シュガ(佐藤選手)、松下、三角と何人かの選手は
確実に成長した」と。
この試合で挙げたグランタ選手のトライ、そして松下選手の2トライ。
シーズン最終戦で見たトライは、必ず明日のヤマハへ向かい、走り出している、
そう感じた瞬間でした。
ブログの場をお借りしてですが、シーズンを通しヤマハ発動機ジュビロを
通じ、たくさんの方に声をかけていただき、その声に私は元気をいただいてきました。
「皆さん、ありがとうございます」
ありがとうございました、と過去形にしないのはまだまだ続くから。
これからも、グラウンドで光輝く一瞬をお伝えしていければと思っています。

第13節、試合後会見の様子(ヤマハ対東芝)

2月2日、ヤマハスタジアムでおこなわれたトップリーグ第13節、
ヤマハ発動機ジュビロ対東芝ブレイブルーパス、試合後会見の様子です。
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ヤマハ発動機ジュビロ:木曽一主将
「まず、結果的に今シーズンの最終ゲームになってしまい、今日スタジアムへ来て
いただいたファンの方々に申し訳ないという思いと、この場をお借りしまして、
一年間応援してくださったサポーターの方々、選手を支えてくれた家族の皆様、
そしてチーム運営に関わったスタッフの皆様にお礼を言いたいと思います。
一年間、ありがとうございました。
ゲーム内容に関して、東芝と対戦することはまずフィジカルで負けないことでした。
前半、少し受けた部分もあり先手先手といかれましたが、後半は自分達のラグビーが、
ある程度できたかなと思います。ただ、今年のトップ4との差がいくつか出てしまったかな、
という部分がありました。そこは、来年に向けていい宿題をいただいたと思いますので、
また明日から身を引き締めやっていきたいです。ありがとうございました」
ヤマハ発動機ジュビロ:堀川隆延監督
「まず、一年間ヤマハ発動機ジュビロに対し熱い声援を送っていただいた、ヤマハファンや
会社の方々、選手、スタッフ、組織をサポートしていただいた皆様に感謝しています。
また、苦しい状況の中、キャプテンの木曽がしっかりとしたリーダーシップを取り、
チームをまとめてくれました。結果的に、厳しい状況ではありますが、チームが
大きく成長した部分はたくさんあります。
今日のゲームは勝つことが出来ず残念な結果でしたが、ひとりひとりが責任を果たした
ことで、ボールを大きく動かし、いい形でのトライも取れ、ヤマハらしいラグビーを
お見せすることが出来たのではないか、と思います。その部分に関しては、選手達に
自信を持って次のシーズンへ繋げてもらいたいと思うし、チームとしても繋げるように
やっていきたいと思います」
――最終結果を見て、誤算と感じたところは
堀川監督
「誤算というか課題は、セットピースの安定。ここがまだ足りなかったと思います」
――ここ何試合、攻め続けてている中でミスが出ることについて
木曽選手
「相手のプレッシャーもあると思いますが、一番は、簡単なコミュニケーションが
出来なかったり、自分達のミスが原因だと思います。試合の為に練習するといいますが、
練習の中でBチームの激しいディフェンスのプレッシャーに対しても、いくつかミスが
起こっていました。結果的に、それが試合にも出たと感じますので、大久保グラウンドの
練習を、もっと精度を上げていかなければと。その部分にこだわきれませんでした。
ラスト3試合は、非常にプレッシャーを受けるチームとの対戦で、少なからずその影響も
あるのか、とは思います」
――今年のトップ4との差は
木曽選手
「ひとつは、セットプレーが不安定だったこと。自分自身は、ラインアウトに比べ、
どちらかといえばスクラムが劣勢だったと思っています。セットプレーはラグビーの中で
大事なプレー。うちのバックスは能力の高い選手が多く、そこで狂うというのは、
ヤマハの強みをいかせない。それは、フォワードの責任であり、フォワードリーダー
としての責任も感じています」
堀川監督
「ヤマハのいいゲームというのは、いきたボールがバックスに出てゲインラインを切って、
クイックボールで展開するというのが理想の形。やはり攻撃の起点となる場所の安定なしに、
ヤマハのラグビーはできないと思います。そこの精度を上げること、強さを備えて
いくことが大切だと感じています」
***********
東芝ブレイブルーパス:廣瀬俊朗主将
「まず、ヤマハスタジアムという素晴らしい環境で試合ができたことに感謝して
います。ラグビーのやりがいがあり、相手チームに不足はなかったです。
東芝としては、4トライを取ってしっかり勝つことが大前提でしたので、
前半のうちに4トライを取ってリードし、後半もできるだけスコアを重ねる
ことができ、満足しています。そして2試合負けた中でも今日、応援に来て
いただいたファンの方には、本当に感謝しています。これ、一番に伝えたい
ことです。ありがとうございました」
東芝ブレイブルーパス:瀬川智広監督
「ヤマハのファン、東京からも東芝ファンと、たくさんのラグビーファンが
来て応援していただいたこと、その中でラグビーをすることができ、大変嬉しく
思い感謝しています。僕達は、マイクロソフトカップに進出すること、これだけを
目標にしてこの試合へ臨みました。廣瀬が言ったように、勝ち点5を取ることを
優先にゲームプランを練りました。そういった意味で、結果は、嬉しく思っています」
――ここまで4敗したことについて、
瀬川監督
「去年は、去年のチーム。今年は今年のチームというのがひとつで、それは
対戦相手にもいえることです。全てが去年から一緒だとは思っていません。
それに合わせ、全チームが順位を競っているわけで、だからどうこうというのは、
難しいと思います。ただ去年の東芝とあきらかに違うのは、失点が
多いと
言う部分で、そこがリズムを作りきれていない原因だと。我慢しなければいけない
ところ、勝負どころをしっかりとこれから修正していきたいと思います」
――後半、PGを狙った後、次はPGを狙える位置からトライを取りにいきました
廣瀬選手
「これからを考えた上で、東芝の強みを考え、どうしてもフォワードで取る、
取りたいという思いを強く出したかったからです。もちろんPGも考えましたが、
その時はフォワードにチャンスを与えました。その前のPGは、決めてセーフティの
15点差になるので狙いました」
――しかし結果を言えば、そのプレーでは取りきれませんでした
廣瀬選手
「あの後、一連の流れで最終的にオトが取ってくれましたからね。取りきれ
なくても、攻める気持ちがあったからこそ、オトのトライに繋がったと思います。
次のチャンスは、フォワードにしっかりとってもらいたいと思います」
――村田亙選手の引退について
瀬川監督
「こういう形で村田さんが引退を表明され、また最終的にお互いが
マイクロソフトカップへ進むための大切な試合だったというのには、やはり縁を
感じると思います。私にとって村田さんは、ものすごく影響のあった選手の
ひとりだと思っているし、私は7年も8年も前に引退しましたが、村田さんは
ラグビーを第一線で40歳まで続けてきた。そこは非常に敬意を払いたいです。
ただ今回、亙さんがスポットを当たった中で、引退セレモニーがおこなわれましたが、
東芝にもこの試合に負けたら引退する選手がいただろうし、ヤマハさんの中にも
数名の選手やスタッフが去っていくだろうと。そう考えると複雑な思いがあった、
と言うのが本音です」
廣瀬選手
「僕は、高校代表のフランス遠征の時、みんなでバイヨンヌへ行き、その時に
村田さんを初めて見ました。日本人でプレーしているのはすごいという思いは
あったのですが、その後直接話す機会はなくて。で、去年のセブンスの時に、
村田さんがコーチをやられてて、2人でいろいろやったんですよ。でも、村田さん。
負けず嫌いじゃないですか。僕が一対一で勝ったりすると、次は本気でくるんです。
いつまでも、若くて、あの年で情熱を持っているというのはすごく尊敬するし、
最後の試合を一緒にプレーできて嬉しかったです」
――ほぼ出場を確実にしたマイクロソフトカップへ向けて修正点は
瀬川監督
「ディフェンスです。ほころびが出来てしまうことをひとつ直したいというのと、
攻めで自分達が用意してきたプランが、相手のディフェンスや自分達のミスによって
狂ってしまった時、もう一度基本に戻る、ということをやっていきたいと思います」
廣瀬選手
「21点取られたこともあり、やはりディフェンスです。後は、ここ2試合ぐらいの
反省点ですが、後半のゲームマネージメントを次こそは修正して、フォワードを
楽にさせてやりたいと思います」
*********
試合後の会見で個人的に思ったことは、感謝の気持ちを述べるチームに
出会うことが少ない中、ヤマハジュビロ、東芝と共に取り囲む環境に対し(対戦相手、
ゲーム環境、ファン等)感謝を述べていたのが印象的でした。もうひとつは、
勝った瀬川監督に笑顔を感じなかったことでしょうか。いつの日か笑顔、
必ずや見たいと思います。

東芝戦を前に村田亙選手インタビュー

1月31日(木)の練習後、多くの県内メディア陣を前に、今シーズンの
ヤマハスタジアム最終戦、東芝ブレイブルーパス戦に臨む村田選手が意気込みを
語ってくれました。その様子をお届けします。

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東芝越え

「来週、東芝越えお願いします」
先週のサントリー戦後、大尊敬している方からいただいたメールの中でのヒトコト。
ヤマハジュビロとして、越えなければいけない壁、東芝ブレイブルーパス戦が目前に
迫ってきました。
トップリーグ初年度は引き分け。2年目は、ヤマハスタジアムで対戦し、目の前で
東芝さんの優勝を見ました。3年目、全身ボロボロになりながらも東芝の壁を破れず、
そして4年目。確かに東芝さんはベストメンバーではありませんでしたが勝った。
ヤマハジュビロの歴史に名を刻む一戦は、ノーサイドの瞬間、グラウンドやスタンドに
たくさんの涙が落ちました。
毎年、メンバーは変わりながらも、東芝・ヤマハの血は途絶えることなく引き継がれ、
次の対戦をむかえる。繰り広げられてきた熱い戦い。今年は、どんなノーサイドが
待っているのか。2月2日、14時キックオフ。場所はヤマハスタジアム。
トップリーグ最終節、皆様のご来場をお待ちしています。
*********
今週の木曜、ヤマハジュビロの試合前練習へ行って来ました。
先発メンバーにジャージが手渡され、決意を述べる「ジャージ渡し」がおこなわれた中で、
初スタメンのジャージを手にし、言葉に詰まる選手。「昨年と同じよう、東芝に
負けてシーズンを終わらせるわけにはいかない」と、口にする選手。自分達は、
何の為に、誰の為に、どうしてグラウンドにいるのかを考え、そしてラグビーを
楽しみましょうと、強い気持ちを見せる選手達。
印象に残っているのは、
「初の4番で出場。4番の仕事をして、さらに3列以上の仕事もします。土曜日、
均ちゃん(大野選手@東芝)は、僕の意識の中でフィジカルも強く日本の中でベストの4番。
トイメンでプレーできることは本当に光栄で楽しみ。そうそう、万吉先輩(渡邉選手@東芝)
との対決も楽しみですよ」と、話していただいた木曽選手の笑顔。
練習を見守る、木曽選手の横顔
勝つ、勝つというプレッシャーを受けながらも、試合を楽しみにしている様子の木曽選手。
主将として、いち選手として、体を張りチームを引っ張る木曽選手の笑顔があれば、
ヤマハジュビロは大丈夫。私は、信じています。

トップリーグ最終節へ向け直前インタビュー@ヤマハジュビロ堀川監督

トップリーグ最終節、2月2日、ヤマハスタジアムでおこなわれる東芝戦を前にして、
ヤマハジュビロの堀川監督にインタビュー。
最終節へ向け、調整を続けるチームの様子をお聞きしました。
************
――10月末に開幕したトップリーグも残り1試合となりました。春から力を積み上げて
きたチームは、監督の目にどのように映りますか?
堀川監督
「確実にチームは成長しているし、やろうとしてることもやれてきている。スペースに
ボールを動かしていく意識であったり、形としてしっかり表れ、できている部分はあります。
もちろん、そうでない部分もありますが。イメージの中では、ずいぶん成長したのかなと
感じています。ただこの2節、三洋、サントリーというトップ4レベルのチームに対し
2連敗したことは、プレッシャーの中で、自分達のラグビーができるかできないのか。
そこについては、僕らも改善し、もっと成長していかなければと、大きく痛感しました。
今はとにかく、この一週間で何ができるか。もちろん、全てはできないので、ある程度
集中した中で、ターゲットを絞りやってきました。みんな理解しているので、非常に
いい雰囲気です。ただ、今のチームに満足はしていません」
――ここまで走ってきた成績は7勝5敗(第12節終了時)。チームがつまづいた試合、
浮上のきっかけを掴んだ試合は
堀川監督
「浮上したと感じたのは初戦のトヨタ戦。勝って、いくぞと思ったら、第2戦のNECで
ふがいない試合をしたように、つまづいたのは、負けた試合の全てですね。思い返せば
今年も、去年に引き続き波があったのかなという気はしています。とはいえ、
自分達の力を発揮できている部分もあるし、ゲーム中のブレという部分については、
これまでに比べ少しずつよくなってきていると思います」
――第4節のサニックス戦で結果を残せなかったことが、チーム浮上のきっかけになると
感じました
堀川監督
「宮崎の試合ですね。あの結果は、現実として受け止めたくなかったですよ。でも、
ちゃんとそこを全員で向き合ったことが、次の第2クールへ繋がったと思いますし、
あのゲームも、ひとつのターニングポイントだったと思います」
――第2クールの4試合は、安定したゲーム運びが見えたと
堀川監督
「トライを取る形に関して、全員が共通認識を持ってプレーできた。それまで今年は、
攻撃のオプションを増やしたことで、ひとりひとりのやることが増え、増えた分を
しっかりと理解し実行するまでの時間が足りず、あとは、それをやるだけのスキルが
ありませんでした」
――第2クールから第9節の神戸製鋼戦前半まで浮上したチームは、神戸製鋼戦の後半から
ヤマハらしくないラグビーになってしまったように感じます
堀川監督
「いろいろ要素はあります。自分達で試合中、相手の攻撃パターン、レフリング等、
全ての変化へ対応する力が不足していたというか。たぶん目には見えないどこかに、
スキを作ってしまったのではと思います」
――三洋電機戦後に見た選手達の悔しい表情が、サントリー戦後、下を向くことは
ありませんでしたが、迷っているように見えました
堀川監督
「三洋、サントリー戦は、相手のプレッシャーに負けたと思います。自分達のやっている
ことが、なかなか通用しないから迷うのは当然なんですよ。そういう時にこそ、
ゲインラインにこだわるとか、ゲームの中でのコントロールという原点に立ち返ることが必要。
これがだめなら、こうするという軌道修正ですね。もちろんセットピースとか、他にも
いろいろな要素はあります。あとは、サントリー戦前半に、イージーなノックオンが
3つ、4つありました。そういうのは、相手うんぬんではなく、自分達で起こしていること
なんですよ。グラウンドで起こっていることは、練習からしっかりとしたスキルを
作っていくことが大事です」
――選手個々の能力はあるのに、上手くかみ合わない部分に歯がゆさがあります
堀川監督
「実際、ゲーム中における選手自身の波が大きいと感じます。ゲームコントロールしかり、
それは全員に言えることです。ゲームの中で、こうなった時に、何をしなければいけないのか、
その部分も含め、まだ安定していない部分が多々あります。去年に引き続き、メンバーが
固定できず、流動的だったことも、チームがかみ合うのに時間がかかった要因のひとつですね」
――先回、シーズンを通してできるだけ固定したメンバーで戦うことが、チームを
強くさせると話していただきました
堀川監督
「ヤマハが強かった、トップリーグの1年目、2年目は、シーズン中のゲームを
ほぼ固定したメンバーで戦いました。もちろん、チーム内に激しい競争はあったし、
出場メンバーにケガがなかったという、ラッキーも重なりました。例えば、今年の三洋さんが
そうだと思います。主力選手にほとんどケガ人が出ず、固定したメンバーでいく、
結果が出る、そして士気も上がる。もちろん、ヤマハも層は厚くなっていますが、
もうひとつ上にある壁をぶち破れない。理想系は、そこをぶち破っていくことです。
とはいっても、今年は、若手がすごく成長してきている。下の者がどんどん追い上げて
いくという意味では、いい経験ができていると思います」
――バックスはある程度、固定してきていると思いますが、フォワードが固定しませんでした
堀川監督
「チーム全体として、安定感がなかったというのは言えると思います。でも、一番は、
ゲームコントロールですね」
――ゲームコントロールを含め、今年は昨シーズンに比べ、すでにトライ数を上回って
いますが、ペナルティゴールが半分以下の数字です
(トライ、昨:43T、今:55T、ペナルティゴール、昨:32、今:13)
堀川監督
「3点刻みではなく、スタイルを変えていこうという形が、結果として、それなりに
出ているという気がします。でも、今年は接戦を落としていますよね。プレッシャーの
かかるゲームで発揮できる、本物の力はまだ無いのかなという気はします。あと、
接戦という意味で、春からもっとレベルの高いチームとゲームをやっていく必要があると
感じました。プレッシャーをチーム全員が肌で感じることが大切だと。今年の結果は、
次のシーズンへ向けてのいい材料です」
――そのゲームコントロールという点で、大田尾選手の成長が楽しみです
堀川監督
「タツ自身が前へ出ることで、攻撃のラインがグッと押し上げられる。去年と比べれば、
本当に大きく成長しているし、だからこそ、もっと上のレベルを目指してもらいたいですよ。
それは、佐藤も同じです」
――佐藤選手は、高校、大学とカゲに隠れたプレーヤーのイメージがありました
堀川監督
「あいつは、負けん気が強いし、努力をする。たまに、空回りもするけど、気持ちを
前面に出す、努力の塊です。佐藤がいて矢富がいることで、バランスがある。カゲに
隠れていた殻を破って欲しいですね。いい意味で矢富と競争をし、お互いがレベルアップ
していくことが大切です。岡も含め、ヤマハのスクラムハーフ争いは、日本で一番激しいと
思いますよ。この中から誰かがジャパンに選ばれるかもしれないですし。チームにとっては、
本当に大きな財産です」
――財産といえば、サントリー戦、リザーブの冨岡選手が山村選手へ「俺達が空気を
変えるんだ」と、伝えていたことが非常に印象的でした
堀川監督
「ケガで長く戦列を離れていましたが、トミーは熱いやつです。あいつは、話を聞いている時も、
ミーティングの時も、ひとり目の色が違うと思います」
―今年は、松下・三角・小林・八木下・徐選手などの若手に成長を感じました
堀川監督
「目をつぶりながらというのもありましたけどね。でもそこは、来年に必ずつながると
思います。これから先、チームを引っ張っていくのは彼らでもありますから」
――グラウンドでの練習が全てと言われる堀川監督ですが、週末の東芝戦へ向けて、
チームの様子はどうでしょうか
堀川監督
「結構、メンバーも含めて大ナタを振るいましたので、そういった意味で、緊張感が走りました。
東芝さんはフィジカルなチーム。それは昨年負けた時に、肌で感じました。積み重ねてきた
練習が今年どれだけ通用するかのチャレンジの気持ちと、僕らがこの一年間やってきた
ことが出せるかどうか、そこがキーになると思います。火曜は体をぶつけ合い、
プレッシャーがかかる中で、いい雰囲気の練習ができました。木曜、金曜の練習が
さらに重要になってきます」
――東芝戦のキーワードは
堀川監督
「Big D&aggression(ビッグDアンドアグレッション)、ディフェンス・アタックの
激しさ。とにかく激しくです。勝負には、勝つ時があれば、結果が出ない時もあります、
でも、結果の出ない試合の内容もあると思うんですよね。三洋、サントリーの2試合は、
自分も含め、試合へ出た選手、見ている人に対して、熱が伝わる試合ができたか、
体を張れたか、喜べたかと言えば、そうじゃないと思うんですよ。自分達は、誰の為に、
何の為に、何でこのグラウンドに立てているか。そこをもう一度考えて、そういう人達に、
熱が伝わるような、熱いゲームをしようと全員に伝え、この1週間やってきました。
体をぶつけ合い、アグレッシブにプレーする。受けてタックルするのではなく、
肩が壊れてもいいぐらい、とにかく前へ出よう、激しくやろうと。もちろん、勝負にこだわる、
勝ち負けも大事ですが、結果にこだわる以前に、熱いプレー、見ている人が感動するような
ラグビーをやろうと。そこを選手達はわかっているし、チームは今、そういう雰囲気です」
――今、チームに一番伝えたいことを言葉に表すとしたら
堀川監督
「信じることですね。迷わない、やってきたことを信じてやるしかない。信じると、
言葉に出すのは簡単ですが、ものすごく難しいと感じますよ、本当に。でも、ワイサキを
入れた46人全員がそういう気持ちになったら、必ず結果はついてくると思います。
このチーム、ポテンシャルはあるんですよ。だからこそ、その力を信じてプレーする。
それに尽きます。ポテンシャルがあるのに、力を発揮しない。これこそが、周りに
そしてファンに対しても、一番やってはいけないことだと思います。勝っても、結果が
出なくても、ポテンシャルを出す、持っている以上のものをグラウンドで発揮し、見せる。
それが一番大切なことだと思います」
――そういった意味で、今シーズンポテンシャルを見せた試合は
堀川監督
「初戦のトヨタ戦は、すごかったと思います。ディフェンスの集中力、アタックスペースや、
スペースへのボールの動かし方。80分間、ものすごい集中していたと感じました。
トヨタ戦のようなゲームができるならば、それをやらなければいけない。あとは、
核になる選手もそうだけど、ひとりひとりのリーダーシップも重要。誰かがやって
くれるだろうではなく、どんな場面であろうとも、全員が一歩前へでることが大切。
グラウンドで、仲間の声が出なくなった時、そこをコントロールするリーダーシップが、
人材的に、今のヤマハには欠けているんじゃないかと。もちろん、木曽、久保は、
ここぞという時に、ズバッとしっかり言います。特に木曽は、自分だけが言うのではなく、
ここは人を信じ任せる、というよう、周りを上手く使うようになったことで、成長してきました。
特にフォワードは、そういった木曽の想いに応えなければいけないと思います。
いつまでも木曽頼みでは、成長しませんから」
――では最後に、対戦を楽しみにしている全国のファンへ、東芝戦に向けて意気込みを
お願いします
堀川監督
「ただ熱いだけではなく、めちゃくちゃに熱い試合をしたいと思います。春からやってきた
ことを全て出し切れるよう、完全燃焼に向け準備をしていますので、是非、熱い声援を
選手へ送って欲しいと思います」

家族の力

昨年のこと。入団1年目の徐選手に「自分を支えているものに何がありますか」と、
お聞きしたことがあり、その時に帰ってきた答えが「家族」。自分が落ち込みそうに
なった時は、以心伝心のよう決まって電話がかかってきたり、厳しい言葉も僕の
ためを思ってこそ。家族が1番の支えかなと話していました。
そのことを少し前、試合会場でお会いしたご両親にお伝えしたところ、
「そんなこと言ってましたか。でも、あいつがどこで何をしていようと、家族から
離れていても、私達はいつでもそばにいますから。どんな時も一番のファンであり、
味方ですから」と。
徐選手@秩父宮ラグビー場
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昨年の夏、菅平でお会いした某大学選手のご両親は、東へ西へと、全ての試合会場へ
足を運び、プレーを見守り声援を送り続けたとお聞きしました。4年生だからね、
今年で最後かなと、少し寂しそうな顔を見せながらも、自慢の息子の話に終始笑顔。
その様子に、ご家族の温かい愛情と幸せをおすそ分けしていただいた気分になりました。
07年@菅平
ヤマハジュビロの冨岡選手は、負傷からリハビリを続けメンバー入りした、
第11節の三洋電機戦を前に、
「ショウさん(※)のお母さんから、お守りをいただいたんですよ。それを、負傷した
箇所に巻きつけ、ずっとリハビリや練習を続けてきました。今日も巻いています」と、
大西選手のご家族の愛情を話していました。
(※)ショウさん:ヤマハジュビロ、大西将太郎選手
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家族の力。いつまでも純粋、そしてどんな時も声援を送り続ける。
ヤマハジュビロの村田選手も、自分を支えているのは「家族の存在」があるからと、
話していたよう、徐選手・冨岡選手だけではなく、スポーツを、ラグビーを取り巻く
環境の中にある、溢れんばかりのご家族の愛情。そういう幸せの瞬間を感じさせて
くれる、ラグビーの感動に私は感謝しています。