もうひとつ、花園予選の話題。愛知県では9月12日から花園予選1回戦が
始まり、2回戦、3回戦を終え、10月24日から第1シードの4校が登場し、
4回戦が行われます。個人的都合で今年は、ここまでの試合をほとんど見に
行くことができず、歯がゆさいっぱい。でも、自分の目で見ることができた4試合は、
心に残るシーンがいくつも。全力ラグビーは、記録だけではない、記憶を何かしら
残してくれていると感じています。
9月19日（これまた紹介が遅く、本当に申し訳ありません）、一宮工業高校グラウンドにて
行われた試合で印象に残ったのが起工業（おこしこうぎょう）。対戦相手は、
練習試合をよく行っている一宮工業でした。
前半、気迫あふれるフォワードを前面に出す徹底した戦いで起工業が先制。
その後、一宮工業がトライを返すも、押し込んだモールからバックスが
抜け出し起工業が逆転。もう1本トライを加え17-5とリード。しかし、
一宮工業は粘りを見せ、連続トライで同点に追いつき前半は17-17。
＠9月19日、一宮工業戦より
後半、早い時間に一宮工業がトライをあげ、17-24と逆転。起工業は
敵陣での攻撃をチーム一丸となってサポートし22-24と2点差に迫るも、
ウォーターブレイクをはさみ、流れは一宮工業へ。ラストプレー、
起工業が懸命にルーズボールへ飛び込むも22-50でノーサイド。
試合後、起工業を率いる余呉先生にお話をお聞きしました。
「一宮工業さんとはよく練習試合をしているので、初めてやるチームでは
なく、勝てない試合ではなかったと思います。でも、近所すぎたクジを
引いてしまいました。前半は徹底しプラン通りの戦いでしたが、最後に
取られた2本が余分でした。今年のチームは3年生が11名。先発に6名、
リザーブに5名でしたが、最後は全員プレーでき、彼らにとっていい経験に
なったと思います。ほとんどがラグビー初心者でスポーツ経験がなかった
のに、ここまでよく続けてくれたと感謝しています。365日、ラグビーな
日々ですが、その中で今日は一番いい試合をしてくれました。いつもなら
気持ちが切れてしまうのが、最後まで意識を高く持ち続け、非常によかったと思います」
余呉先生、ありがとうございました＆紹介が遅くなり大変申し訳ありませんでした。
土のグラウンド。白いジャージが茶色に染まっているのはみんなが全力プレーを
60分間、継続した証。グラウンド脇からの「まだ終わってないぞ」の声。
選手の輪から聞こえた声、「下げるな、顔を上げろ」。3年生、2年生、1年生と
それぞれに歩んできた1年間の絆が結集された空気に胸がジーンと熱くなりました。
ラストプレーになるか、ルーズボールに飛び込んだ選手がノーサイドの笛とともに
流した大粒の涙。でも、涙の重さに負けることなく顔を上げて欲しいな。
頑張ってきたみんならできる、そう私は信じています。
心に響く試合を見せていただいた起工業ラグビー部に感謝。ありがとうございました。
