14日、グラウンドでの練習を再開したヤマハ発動機ジュビロの
ケビン・シューラー監督にアタック。春を終えた感想、夏に向けた意気込みを
お聞きしました。
「春から外国人選手が揃っているので、昨年と比べチームは非常にいい雰囲気。
コリジョン(collision:衝突)の意識に重点を置いてきたが、ボールキャリア、
ボールコントロールにおいて判断のレベルは徐々に上がっている。ただ、
プレーする選手らが、ベストチョイスを判断できているかといえばまだ。
0.5秒でも遅ければ差になる。これを埋めていくことが今後の課題。フィジカルにしろ、
メンタルにしろ、いずれもヘッド(頭)とハート(心)はリンクしている。
ヘッドを上げればハートが上がる。逆に、ハートを上げればヘッドも上がる。
偏りがないよう、選手らが持つ能力をコーチ陣とともに引き上げていきたい。
@LO陣の先頭、ローリー・ダンカン選手
ポジションを見ると、北川、伊藤が抜けたフロントローは若いが高木や山村が
リーダーとなりその姿勢を見せることで、若手が大きく成長している。昨年の安定した
ラインアウト、セットピースをベースに、これからもっと伸びる。夏の北海道合宿で
日本一のスクラムを持つサントリーと対戦するのは非常に楽しみ。
@仲谷選手
ディフェンスはコミュニケーションにフォーカスを当てることが大事。
我々がどれだけ伝えても、聞く側が耳を持たなければ意味がありませんので(苦笑)。
あとは、疲れた状態の中でも動けるよう、北海道合宿までの3週間でフィットネスを
さらに上げます」
ケビン・シューラー監督、ありがとうございました。
今シーズン監督に就任したケビン・シューラー氏。話の途中で必ず出てくる
キーワードが「コリジョン」と「リンク」。コリジョンは衝突、という意味で
接点の激しさをもっと単純明確にした感じ。それはプレーだけではなく、選手間の
意見の衝突も含むのかなと。
もうひとつは「リンク」。これは、どんなことも繋がっているという表現。
監督が言われていたのですが、例えばボールキャリアがすぐ寝てしまうのは、
立ってプレーする意識の欠如によるもの。すなわち自分が自分に負けている状態。
そうなれば、状況によって笛が吹かれペナルティを取られ、悪循環になる。
そうではなくコリジョンに勝つ。そうすることで立ってプレーができる。
そして次のプレーに繋がる。トップチームになればなるほど、立って
プレーする意識が非常に高く、接点で自信を持っていると、なるほど。
@ケビン・シューラー監督
プレーで勝つことはメンタルにおいても勝つ。メンタルで勝てばプレーも勝てる
というような、プレーとメンタルのリンク。シーズンを通し変わらぬ高い意識で
下す判断、その積み重ねの全てがチームの勝利にリンクしているんだと。
今シーズンのヤマハのコリジョンとリンク。成長を楽しみにしつつ、どんな風に
変わっていくのか、見守っていきたいです。
ヤマハ発動機ジュビロの練習は、大久保グラウンドにて公開でおこなわれています。
日程等は、ヤマハ発動機公式ウェブサイト「ラグビー部」情報の「スケジュール」
をチェック。