今シーズンは、多くのレフリーの皆様へアタックさせていただきました。
突撃アタックを受けていただいた懐の深さと温かい言葉に感謝。
そしてレフリーに対する真摯な姿から、多くの感動をいただき、本当に
ありがとうございました。
その中で、フルタイムレフリーとして日本だけではなく世界でも活躍されている
平林泰三レフリーには、試合会場で姿をお見かけしてはお話を聞かせていただき
ました。ありがとうございます。今回の記事は、少し前になりますが日本選手権
準決勝@花園の試合後にアタック。試合をそしてシーズンを簡単に振り返って
いただきました。
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お話は3月8日、日本選手権準決勝がおこなわれた花園でお聞きしました
―― 今日の試合、笛を吹くにあたり心がけたことは
平林泰三さん
「いつもと同じですが、あまりゲームに触らないということ。それに加え
これは、自分のブログにも書きましたが、周りでは三洋がトーナメント戦へ入り
不調になってきているんじゃないか、選手権二回戦で近鉄に結構点数を取られた
トヨタは弱いんじゃないか。そういう声が聞こえていましたので、そうじゃなくて
両方強いチームであり、それぞれの持つ力、パフォーマンスをしっかりと出して
もらえるように努めました」
―― 競った試合、例えば得点差は気になりましたか
平林泰三さん
「結構、得点ボードは見てないもんですよ。だからあまり気にならないし、
いつも通りの笛です。ただこの試合、最後の場面では1点差、3点以上取れば
勝負が決まる。トヨタとしては得点を取るオプションが何個かに限定されるわけ
ですよね。例えばトライを取りにいく、あとはドロップゴールを取る。
そういう場面で、僕がレフリーとして何をするかといえば、それを阻害する
プレーは、はじいてあげなければいけないし、マネージメントしてかなければ
というところがある。そこは普段の笛に加味していますね」
―― ありがとうございました。では、今シーズンは平林さんにとってどんな
シーズンでしたか
平林泰三さん
「今、年間を通した整理や総括をやっているんですけど、いろいろなパフォーマンスの
数字や目標値とか、押さえていたことに対して細かい部分においても達成できて
いるかなと。格段に成長するとかシーズンを通した狙いや目標というより、
僕が興味を持つのは、コンスタントに自分が持っているパフォーマンスを出す、
こと。試合を通してみたときにそれができていたという年で、やることはやれて
いるという感じがしています」
―― 今シーズン、ご自身がレフリーをされた中で印象に残っている試合は
平林泰三氏
「今シーズンは結構、今日のように競った試合が多くて。
開幕戦のヤマハ対トヨタ(26-20)、
2れんチャンで吹いた花園の神戸対NEC(36-21)、
3節のサントリー対コーラ(22-23)、
4節、僕の地元宮崎でおこなわれやサニックス対ヤマハ(7-5)、
7節のトヨタ対クボタ(15-19)、
8節の全勝対決三洋対サントリー(35-24)
9節のヤマハ対神戸(28-31)、
マイクロソフトカップ準決勝の三洋対東芝(25-21)。
そして今日の試合(トヨタ対三洋:24-25)。
自分の中でもゲームの時間、チーム、得点差に関係なく、両チームに対し、
アタックサイドにとかディフェンスサイドに偏ってではなく常にフェアに、
イーブンにレフリングをした結果であり、両チームが持っているパフォーマンスを
出してもらえた結果だと。今上げたカードは、レフリーを務めさせていただいた
試合の中でも、全部印象に残ったゲームですよね」
@第9節、ヤマハ対神戸戦
―― 忙しいシーズンを過ごす中でフィットネス面で心がけたことは
平林泰三さん
「毎年そうですけど、トレーニング関係でいえばフィットネスでレベルを上げていく。
コンディショニングで体をケアする。ケガに対しては、負傷に近いところがあれば、
マイナスからプラスに元へ戻す作業をする。もちろん他にもいくつかありますが、
こういったトレーニングやフィットネスにかける時間がだんだん増えていますね」
―― お忙しいところありがとうございました。来シーズンへ向けての意気込みを
お願いします
平林泰三さん
「日本協会のフルタイムレフリーとして、来シーズンは2年目。僕自身、どんな時も
2年目はチャレンジの年。今年の活動は50%から100%一生懸命やったので、
それを効率化、最適化して、もっとクオリティが高くなるよう、上を目指し
チャレンジの年にしていきたいですね」
平林さん、本当にありがとうございました。
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平林さんのレフリー姿でいつも思うことは、どんな状況においても「凛」とした
姿を保ちながら笛を吹き、そしてタッチジャッジを務める。本当にすごい。そして、
憧れの眼差しで見つめてしまいます。
「皆さんが良かったと思う試合を僕が担当していた。そのことが僕も嬉しいです」
と、さらっと言葉に出せる、紳士な姿も素敵。時折、冗談を交えながら、
「月へ帰らなきゃ」というお茶目な姿もまた魅力的。何か惹きつけられる、
そんな部分を持ち合わせているのも、平林さんの人柄が温かいからだと。
@6月24日
こうした背中を追いかける若きレフリーもたくさんいるはず。これからも、
平林さんの活躍する姿、そして多くのレフリーの温かい心を伝えていきたいなと
思っています。
(※)
この日、花園でお会いした関西協会所属の久保修平レフリーは2005年の
レフリーアカデミー一期生。ここからは、大槻レフリーや麻生レフリーが、
今シーズンのトップリーグを担当されています。
久保レフリー、来シーズンは、どこかの試合会場でお会いできることを楽しみに
しながら応援しています!
平林泰三オフィシャルホームページ