胸をはれるチーム

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紹介がすっかり遅くなり申し訳ありません。
出場校が出揃い、今週末19日から1回戦が行われる「第47回全国大学選手権」。
この舞台に上がろうと、挑戦権を得たチームひとつが岡山の環太平洋大学でした。
ラグビー部は2007年に創部。大学の体育会のモットーである「夢・挑戦・達成」を
掲げ日々、練習に取り組んできました。初年度は地区対抗へ出場。この時は
1トライをあげたものの1回戦で敗退。2年目は、その地区対抗で念願の1勝。
歓喜に沸いた姿を記事にした記憶があるなど、IPUは個人的には親しみがあるチーム。
昨年は、地区対抗でも姿を見なかったので心配していたのですが、全学年
揃った今年は、中四国王者として長く名を上げていた徳山大を破り、念願の
大学選手権の道へと進みました。
@2009年1月2日「お正月の瑞穂」


11月28日、花園で行われた朝日大との決定戦は、朝日大のトライラッシュで
前半を0-33とリードされハーフタイム。西口監督は「風が厳しく状況は不利な
展開。さらに観客も多く、こういった中で試合をするのは初めて。選手たちは
かなり緊張している」と感じたものの、「これがIPUの歴史の一歩になる」と確信
したそうです。結果は、後半25分を過ぎてトライを2本返す粘りを見せたものの、
12-59でノーサイド。
思えば。当初は練習グラウンドがなく、他の部のグラウンドを借りる
など、固い土と戦い、擦り傷だらけの日々が続きました。
学校側の多大なるサポートでようやく、2008年の秋に人工芝グラウンドが完成。
ウェイトルームなども完備され、西日本でここまでの施設を持つ学校は
他には無いのでは、とおっしゃっていました。これも、多くの方の情熱があり、
それを継続し、心からの熱意が伝わったからこその実現。想いの強さと
努力には、本当に頭の下がる思いです。
試合後、真っ赤な目のマネージャーさん(もしかしてトレーナーさんかも)が、
総監督の山口先生の胸で泣き崩れていた光景。4年生かな、「ありがとう、
ありがとう」と涙ながらに仲間と抱き合う姿からは、4年という短期間ながらも
全速力でこの舞台に駆け上がってきた過程は、決して間違っていない、
というのを私は、ひしひしと感じました。
「僕は厳しい監督でした。ラグビーもそうですが、ラグビー以前に挨拶を
する、約束事を守る、という普通のことを普通にやれるよう、徹底して
やってきました。そんな僕を煙たい、と思う子もいたでしょうが、それでも
最上級生の4年生は僕と4年間、向き合ってくれ、頑張りとおし、IPUの
基礎を作ってくれました。勝たせてやれなかったことは悔しい。
でも、僕にとってこのチームは胸をはれるチームです」(西口聡監督)
花園第2グラウンド。ノーサイドのあとベンチに戻り挨拶を終えた。
ふと、仲間の顔を見ると自然に涙がこぼれてきた。それは、彼らが
ひたむきに、楕円球に向き合ってきた証。
「来年、この舞台に戻って今日の雪辱を晴らしたい」
来年、一回りも二回りも大きくなって帰ってくる彼らとの再会を
楽しみにしたいと思います。
心あるチームは、人を惹きつけてやまない。そんな出会いに感謝。
西口監督をはじめ、IPUラグビー部の皆様。ありがとうございました。

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